低身長の基準を知って行う5つの対策


低身長と言えば、ただ身長が小さめなだけだと思われがちですが、実は、一般に「低身長」と呼ばれるものにはある基準があります。もし、あなたのお子さんの身体が同じ歳の子供たちよりも小さくて、「もしかしたら、うちの子は低身長かも」と気にしているようなら、その基準を知って、今後の対策を立てることをおすすめします。

低身長は、(その原因にもよりますが)子供のうちに治療すれば、大人になるまでに改善できる可能性があるのです。身長が小さいというだけで生活に不自由することはまずありませんが、本人がコンプレックスを抱えて生きるようになるのは、親心として避けたいですよね。

今回は、低身長の基準や、それに当てはめた判断の方法、そして対策についてお伝えします。

 


低身長の基準を知って行う
5つの対策

 

学問的な意味での低身長の基準とは

学問的な意味では、低身長の基準は「標準よりマイナス2SD以上低い身長」とされています。でも、「2SD」と言われても、何のことだかわかりませんよね。「SD」とは、平均的な数値からどれくらい下回っているかを示す「幅」のことですが、ざっくりとわかりやすく解釈すると、「同じ誕生日の子供100人中、一番小さな子から3人目までが低身長」という基準になります。つまり、この考え方によると、同じ誕生日の子供を100人集めれば、必ず3人の子供が低身長に該当するのです。

「低身長」と言うと、それ自体が何かの病気のように思えますが、要は平均よりも小さい子を示す基準だと考えられます。ですから、もし、お子さんが低身長だと言われることがあっても、何も落ち込むことは無いのです。

 

低身長から考えられる病気

ですが、この低身長は、何かの病気のサインだという可能性もあります。ただ体質的に体が小さく、低身長の基準に入ってしまったという子なら問題ありませんが、病気によって成長障害が起こっているのなら、治療する必要があります。低身長の原因となる病気は、脳腫瘍や甲状腺機能低下症によるホルモンの分泌異常や染色体の異常、臓器や骨、軟骨の異常などが考えられます。

また、「SGA性低身長症」という、お母さんの胎内にいた時から成長が遅いことにより起こる低身長もあります。このどれにせよ、身長以外の部分で健康を害する可能性があるものばかりのため、早期発見して適切な医療機関で治療することが大切です。

 

病院に診てもらうタイミングとは

お子さんが低身長だということをどんなタイミングで知らされるのかというと、一般的に多いのは、出生時の体格の小ささから、出産した病院側から低身長の疑いを説明されることです。それよりも遅い場合は、保育園や幼稚園などで同級生よりも小さいことが気になって受診を決める場合が多いようです。低身長の原因となる病気によっては、子供が小さいうちに治療しなければいけないものもあるため、「低身長なのでは?」と思ったら、なるべく早く診てもらった方が安心ですね。

 

原因が無い低身長は、治療の必要無し

先ほどのご説明の通り、低身長は病気の症状の一つである可能性が高いですが、もちろん健康的に問題が無く、ただ遺伝的なものや体質的なもので低身長となる子もいます。この場合は、当然ですが治療の必要は無いものとみなされます。

低身長の基準に該当するからと病院で色々な検査をしてもらっても、何の異常も見つからなかった、ということは珍しくありません。ですから、「低身長だから何かの病気を抱えているに違いない」と思い込まず、病気由来ではない低身長もよくあることだと認識し、ゆったりと構えましょう。

 

「背が低くても大丈夫」と、メンタルケアをしてあげよう

今は、身長が低いよりも高い方が良いという風潮があるせいか、健康体なのに我が子の身長が低いことを気に病み、どうにかして身長を伸ばしたいと考える親御さんが増えているようです。この親の追い込みが、子供が思春期になった頃にコンプレックスになってしまうことがあるようです。身長を伸ばすための方法を取ってはいけないということではありませんが、それよりも先に、お子さんのメンタルケアを第一に考えてあげましょう。病気によるものでないのなら、身長が低いことも一つの個性だととらえて、お子さんが気に病まないようにケアしてあげることも、大事な親の務めだと思って下さい。

 

いかがでしたか。このように、低身長の基準とは、はっきり「何歳で○cm以下」と言えるような単純なものではないのです。しかし、低身長の基準がはっきりしないからと、身長が低いことを気にしながらも、何の検査や対策を立てないことも、また危険です。体質的に背が低いだけなら親御さんも本人も安心ですが、大きな病気が隠れているのだとしたら、早めに手を打っておく必要がありますよね。

低身長の可能性があるなら、まずは病院に相談するのが一番ですが、ネット上を探せば、お子さんの成長曲線を記して、平均身長からどれくらいの差異があるのかを調べられるアプリやグラフが存在します。まずはそういったものを利用して、低身長かどうかの確認をしてみるのも良いでしょう。

 


まとめ


低身長とは

・学問的な意味での低身長の基準とは、100人のうち背が低い方から3人目まで
・低身長から考えられる病気は様々ある
・病院に診てもらうタイミングは、なるべく早くが望ましい
・原因が無い低身長は、治療の必要無し
・「背が低くても大丈夫」と、メンタルケアをしてあげよう


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