自分や、自分の子どもが、低身長の基準に満たないかもしれないと心配される方も中にはいますよね。大人になってしまったら、ある程度身長が低くても、もう仕方ないかとあきらめて、少ない身長は、靴のヒールでおぎなうしかないと開き直ることもできますが、お子さんの場合は、まだ伸びる可能性がありますから、心配になりますよね。
人生を長い目で考えてみれば、ある程度、身長が低くてもものすごく不便なことはないでしょう。子どものうちでも、身長が低いと得することはいくつかあります。いつまでも、子ども料金で通用してしまいますし、まだ小さいのに賢くてえらいねえなんてほめてもらえることもありますし、写真撮影では一番前に並ぶこともできます。低身長は、悪いことばっかりでもありません。よいことだってあるんです。
ですから、あんまり低身長のことを気にしすぎなくてもよいですが低身長の基準を知ることで今まで心配してきたことが吹き飛ぶかもしれません。
低身長の基準とは?
知らなかった3つのこと
低身長の基準は
自分の子どもが低身長かもしれないと思う場合、まずは、お子さんの身長が-2SDの基準以下かどうかが確認してください。といわれても、-2SDっていったい何だと思うでしょうから、一覧表を乗せておきます。こちらの表以下の場合は、低身長の基準を下回るということになりますので、一度、病院を受診してみた方がよいでしょう。
男子(㎝) 女子(㎝)
1歳 69.8 68.4
2歳 79.4 78.4
3歳 86.4 85.5
4歳 92.5 91.9
5歳 98.1 97.7
6歳 103.8 103.4
7歳 109.5 108.8
8歳 114.7 113.9
9歳 119.7 118.8
10歳 124,5 123.9
11歳 128,9 130.2
12歳 133.9 137.0
13歳 140.7 142.3
14歳 148.6 145.3
15歳 154.7 146.5
16歳 157.7 147.1
17歳 158.8 147.4
ただし、この基準を上回っている場合でも、年間の身長の伸びが悪い場合には注意が必要です。一年間で少なくともこれくらいはのびるという表を示しますので、身長ののびが悪い場合には、病院の受診を検討してみて下さい。
男子(㎝) 女子(㎝)
1~2歳 8.9 8.8
2~3 7.0 6.8
3~4 6.0 6.0
4~5 5.4 5.6
5~6 4.9 5.2
6~7 4.5 4.9
7~8 4.5 4.4
8~9 4.3 4.1
9~10 4.0 4.4
10~11 4.0 6.0
11~12 4.5 6.1
12~13 6.9 2.9
13~14 6.9 1.1
14~15 3.3 0.4
15~16 1.4 ―
―2SD以下の低身長の人の全てが病的というわけではない
自分や、自分の子どもが、-2SD以下だからといってあわてることはありません。実際は、-2SD以下の方でも、9割は健康的に問題がないと言われています。例えば、同年齢の子どもが千人いたとすると、-2SD以下の子どもは23人くらいです。このうち、病的な低身長の子どもは、二人ほど。
けれども、もちろん病的な低身長の可能性もありますから低身長の基準値を下回っている場合には、病院を受診した方が無難といえるでしょう。
成長ホルモンの注射はいつでも有効なわけではない
身長が低いから、成長ホルモンの注射を打って、もっと背が高くなりたいと思う人はたくさんいることでしょう。身長の低い人にとって、スラリと背丈が高くなるということはあこがれなのですから。けれども、成長ホルモンの注射を打ったからといって背が高くなるわけではありません。病院で検査をして、成長ホルモンの分泌が正常だった場合には、成長ホルモンの注射をいくら打っても、あまり効果は期待できないといわれています。
病的な低身長ではない場合には、基準より低い背丈を受け入れるより他仕方がないということなのかもしれません。
いかがでしたか。低身長の基準を下回ったら、とても憂鬱で、何とか背が高くなりたいと望むでしょう。栄養をしっかりとり、十分な睡眠をとり、運動をしっかりして、それでも背が低いならば、もうそれは仕方がありません。背が低くても健康そのものなら、それはそれで、運命を受け入れるしかないでしょう。
あまり背が低すぎたら、生活上の困難も生じてくるかもしれませんが、ある程度、低いくらいだったら、さほどの不便はありません。背が高い人に比べて知恵が劣るわけでもありませんから、十分に幸せに暮らしていけます。
ですから、あまり気にせずに、栄養をしっかりとり、十分な睡眠をとり、運動をしっかりしましょう。バランスのよい食事と、十分な睡眠、それにしっかりとした運動ができていない場合は、それを改善すれば、ぐっとのびることもあるでしょう。
低身長の基準にあまりとらわれすぎないこと。低身長の基準値以下でも、健康的な場合は、それでよしとあきらめること。そして、健康的であるということを大切にすること。そういう心掛けが大切かもしれません。
まとめ
低身長について・基準を上回っている場合でも、年間の身長の伸びが悪い場合には注意が必要
・-2SD以下の全ての人が病的というわけではない
・成長ホルモンの注射はいつでも有効なわけではない