身長は遺伝だけで決まるもの……と思われがちですから、身長が低い親御さんなら、子供のこれからの成長を心配してしまいますよね。ですが、実際はそうではありません。もちろん、遺伝的要素が全く関係ないというわけではありませんが、遺伝以外のファクターの方が、最終的な身長の決定に大きく関わっているのです。
ですから、お父さんもお母さんも、そのまた両親も身長が低い方だったから、これから育つ子供にも遺伝してしまうかも……と悩む必要はありません。お子さんがまだ成長期のうちに、身長が伸びやすい生活を送らせてあげれば良いのです。
身長の高低を左右する大事なことと言えば、やはり食事や生活習慣。身長が伸びやすい食事を摂り、しっかり眠って身体を休めること。それが、遺伝に左右されずに身長を伸ばすコツです。
そこで今回は、身長の高低に遺伝がどれくらい影響されるかと、身長を伸ばすために食べさせてあげたい食事についてお伝えします。
身長が遺伝する確率と
伸ばすための食事法
身長が遺伝する確率は25%
両親の身長が子供に遺伝する確率は、たったの25%。つまり、1/4しか遺伝的な要素は無いということです。逆に考えると、残りの要素が75%もあるのですから、身長が伸びやすくなる配慮をすれば、低身長の遺伝子を持っていたとしても高身長になれる可能性が高いとも考えられますよね。
身長を決める遺伝以外の要素は、大まかに言うと睡眠と食事と運動。成長期のうちに睡眠をたくさんとれば成長ホルモンがたくさん分泌され、背が伸びやすくなります。また、骨の材料となる栄養素をバランス良く摂れば、骨を伸ばせますので結果的に身長が高くなるのです。
でも、それではなぜ、一家全員が低身長だったり、高身長だったりという家族がたくさん存在するのでしょうか。それは、遺伝ももちろん無きにしも非ずですが、それよりも、同じ家庭で暮らしていると生活習慣が同じになりやすいからです。同じ食事を摂ることで、家族全員の栄養バランスが同じになりますし、就寝時間も家族内で揃う傾向があるために、身長がまるで遺伝しているかのように似通いやすくなるということですね。
成長に必要な栄養素を十分に摂ろう
さて、ここでは、身長を伸ばす大事な要素のうち、食事の面からできることについてご説明して行きます。まずは、摂るべき栄養素からです。
身長を伸びやすくするために必要な栄養素は、まず、たんぱく質が第一に挙げられます。たんぱく質、その中でもコラーゲンは、骨の土台となる栄養素のため、身長を伸ばすためには欠かすことができません。そして、その上にカルシウムやリンが結合し、丈夫な骨を作り出していくのです。
身長を伸ばすためには、骨の原料となる栄養素だけでは足りません。カルシウムの吸収を助けるビタミンD、カルシウムが骨になりやすくするビタミンKも不足しないようにしましょう。そして、葉酸やビタミンB6、B12などは、コラーゲンを効率良く結合させる働きを担うため、意識して摂る必要があります。
これらの栄養素をバランス良く摂って初めて、身長を遺伝と関係なく伸ばすことができるのです。たんぱく質は動物性と植物性を両方摂り、カルシウムは乳製品や小魚、大豆などから、そしてビタミンKは納豆などから摂りましょう。ビタミンB6やB12はレバーや青魚に多い栄養素です。
どの食材も、子供が好むものとは言い難いですが、ここは上手に料理して、子供が食べやすいようにしてあげると良いでしょう。
カフェイン、インスタント食品、お菓子を与えすぎないようにしよう
食べるべき食材とは反して、なるべく食べさせないようにするべき食材もあります。まずは、カフェインを多く含むコーヒーやお茶類などです。カフェインは深い眠りを妨げ、成長ホルモンの分泌を阻害してしまいます。
そして、いわゆる「ジャンクフード」と呼ばれるインスタント食品やスナック菓子などもNGです。なぜなら、これらは身体に必要な栄養素が乏しい割にカロリーや脂肪分が高く、その他の栄養豊富な食品が身体に入る隙を無くしてしまうからです。また、カロリーばかり高い食品は肥満の原因になるため、身長を伸ばすために必要な運動をしにくい身体を作ってしまいます。
また、ジャンクフードには食品添加物が多く、それが身長を伸ばすために必要な栄養素の吸収を阻害してしまうため良くありません。なるべく、自然の素材から作ったものを食べさせる習慣を付けましょう。
「身長は遺伝する」と言われるゆえんに、食の好みが親子間で似てしまうことが挙げられます。親が身長を伸ばしにくい食品ばかりを食卓に並べることで、子供も身長を伸ばしにくいものを好むようになるということですね。ですが、子供の身長を本当に伸ばしたいなら、こんな悪習慣は断ち切るべきなのです。
いかがでしたでしょうか。身長が遺伝する確率、そして食生活から身長を伸ばしやすくする方法についてご説明しました。
本文中にある通り、身長が遺伝する確率は、その他の要因に比べるとごくわずかです。それでも家族全体が低身長になってしまうのは、親の生活習慣がそのまま子にも引き継がれているとしか言いようがありません。例えば、親が夜更かしで子供を寝かせなかったり、親の好き嫌いがそのまま子供の好き嫌いになってしまったりなど、身長の伸びを悪くする悪習慣を挙げればきりがありません。
ですが、子供の成長期はほんの一時のことですから、その間だけでも、親も一緒に身長が伸びやすくなる生活や食事を心がけてあげることをおすすめします。
まとめ
身長が遺伝する確率と伸ばすための食事法は
・身長が遺伝する確率は25%
・成長に必要な栄養素を十分に摂ろう
・カフェイン、インスタント食品、お菓子を与えすぎないようにしよう